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【悲報】ビルメンはやめとけ?20年選手が明かす、同僚たちの”リアルな”天国と地獄

近代的な高層ビルを見上げ、希望に満ちた表情で微笑む、清潔な作業着とヘルメットを着用した若い日本人女性。
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「ビルメンって楽そうだけど、実際どうなの?」「未経験からでもなれるって聞くけど、将来性はあるの?」そんな疑問を抱えていませんか。華やかに見える施設の裏側で、黙々と建物を支えるビルメンテナンスの仕事。本記事では、この道20年以上のベテランが、間近で見てきた同僚たちの「理想と現実」を赤裸々に語ります。この記事を読めば、あなたがビルメンに向いているのか、そして転職後に後悔しないための”本当の”情報がわかります。

  1. 「楽園」か「地獄」か?現場で見たビルメンのリアルな日常
  2. 給料は上がらない?ベテランが明かす年収の限界と生存戦略
  3. 一番キツいのは人間関係?クセが強い同僚たちとの付き合い方
  4. ワークライフバランスは本当にある?宿直勤務とプライベートの実態
  5. 結論:ビルメンに向いている人、今すぐ辞めた方がいい人の決定的な違い
1. 「楽園」か「地獄」か?現場で見たビルメンのリアルな日常

「ビルメンは楽」という言葉に惹かれてこの業界に入ってくる若者は少なくない。確かに、何もなければ事務所で待機している時間が長い現場もある。俺の隣の席でのんびり資格の勉強をしている20代のやつもいれば、スマホゲームに夢中になっている先輩もいる。これが世に言う「当たり現場」ってやつだ。空調のフィルター交換や蛍光灯の交換など、決まったルーティンをこなせば、あとは自由時間。定時で上がれて、プライベートも充実しているように見える。

しかし、一歩間違えればそこは地獄に変わる。俺が昔いた商業施設はまさにそうだった。24時間人の出入りがあるから、常に何かしらのトラブルが起きる。「トイレが詰まった」「空調が効かない」「エレベーターが止まった」…そのたびに現場に急行し、泥水にまみれ、汗だくで復旧作業にあたる。休憩なんて取れたもんじゃない。特に厄介なのは、テナントからのクレーム対応だ。設備の知識がない相手に、専門用語を使わずに状況を説明し、納得してもらわなければならない。この精神的なプレッシャーは、体力的なキツさとはまた違うしんどさがある。

楽な現場でのんびり過ごす同僚を見るたびに、「こいつは本当にラッキーだな」と思う反面、「このままでスキルは身につくのか?」と余計な心配をしてしまう。結局、ビルメンの日常は、配属される「現場ガチャ」に大きく左右される。天国を夢見て入社しても、誰もがその楽園にたどり着けるわけじゃないんだ。

2. 給料は上がらない?ベテランが明かす年収の限界と生存戦略

「ビルメンは給料が安い」これもよく言われることだ。正直に言って、これは事実だ。求人サイトを見ればわかるが、未経験から始められる分、スタートラインの給与は他の専門職に比べて低い。俺の周りを見ても、入社5年目で手取り20万円に届かないなんて話はザラにある。ここから大幅な昇給を見込むのは、正直言ってかなり難しい。会社に貢献したからといって、ビルの利用料金が上がるわけじゃないからな。売上という明確な指標がないこの仕事で、評価を上げて給料に反映させるのは至難の業だ。

じゃあ、どうやってこの業界で生き抜いていくのか。答えは一つ、「資格」だ。電工、ボイラー、冷凍機…いわゆる「ビルメン三種の神器」と呼ばれる資格を取れば、数千円から数万円の資格手当がつく。さらに、その上位資格である「エネルギー管理士」や「建築物環境衛生管理技術者(ビル管)」まで取得すれば、選任手当がついて年収は大きく変わる。

実際に、コツコツと勉強を続けて資格をコンプリートし、大手系列のビルメン会社に転職して年収600万円以上を稼いでいる同僚もいる。彼は言う。「この仕事は、努力が給料に直結する分かりやすい世界だ」と。逆に、何の資格も取らずに文句ばかり言っている先輩は、いつまで経っても年収300万円台から抜け出せない。会社が給料を上げてくれるのを待つのではなく、自ら価値を上げていく。それができないやつは、この業界で豊かになることはないだろう。

3. 一番キツいのは人間関係?クセが強い同僚たちとの付き合い方

ビルメンは基本的にチームで動く。狭い防災センターで一日中顔を突き合わせるわけだから、人間関係は非常に重要だ。そして、この業界は本当にいろんな人間がいる。元自衛官、元料理人、元営業マン…前職も年齢もバラバラな人間の集まりだ。中には、社会人経験が乏しいままこの業界に入り、コミュニケーションが苦手な者も少なくない。

俺の経験上、一番厄介なのは「何もしないおじさん」だ。長年の経験だけを盾に、新しいことを全く覚えない。面倒な仕事は若手に押し付け、自分は事務所の主のようにふんぞり返っている。こういうタイプが一人いるだけで、現場の空気は一気に悪くなる。かと思えば、異常なまでに正義感が強く、些細なミスをネチネチと指摘してくる潔癖症の男もいた。

だが、面白いことに、そんなクセの強い人間たちも、一つのトラブルに直面すると見事に連携する。共通の敵(トラブル)を前にすると、普段のいざこざはどこへやら、それぞれの得意分野を活かして問題を解決していく。その瞬間の一体感は、他の仕事ではなかなか味わえないかもしれないな。結局のところ、どこの会社にも面倒な人間はいる。ビルメンは特にその傾向が強いかもしれないが、適度な距離感を保ち、「仕事仲間」と割り切って付き合うスキルが求められる。深く関わりすぎず、かといって孤立せず。この絶妙なバランス感覚が、メンタルを保つ秘訣だ。

4. ワークライフバランスは本当にある?宿直勤務とプライベートの実態

ビルメンの勤務形態で特徴的なのが「宿直」だ。朝9時に出社して、翌朝9時まで24時間勤務。もちろん、仮眠時間はあるが、緊急コールがあれば叩き起こされる。この宿直勤務、人によって好みが真っ二つに分かれる。

「明け休みと公休日を合わせれば、3連休みたいになって最高だ」と言って、趣味の釣りに明け暮れているやつもいる。勤務時間は長いが、出勤日数が少ないため、平日に役所や銀行に行きやすいというメリットもある。旅行好きの若手は、「明けでそのまま空港に向かえるのが良い」と笑っていた。

一方で、「生活リズムが完全に崩れる」と嘆く同僚も多い。特に家庭を持つと、この不規則な勤務は厳しいようだ。「子供の寝顔しか見れない日が続く」「妻にワンオペ育児をさせてしまって申し訳ない」そんな声も聞こえてくる。俺自身も、若い頃は明けの日に遊び回る体力があったが、40歳を過ぎたあたりから、明けの日はただ寝て過ごすだけになってしまった。

ワークライフバランスが取れるかどうかは、結局その人の体力と、プライベートで何を重視するか次第だ。独身で自分の時間を自由に楽しみたい人間にとっては、これ以上ない好条件かもしれない。しかし、家族との時間を大切にしたい人間にとっては、よく考えるべき勤務形態だと言えるだろう。

5. 結論:ビルメンに向いている人、今すぐ辞めた方がいい人の決定的な違い

20年以上この業界で働いてきて、多くの同僚の栄光と挫折を見てきた。その経験から、俺なりにビルメンに向いている人とそうでない人の特徴をまとめてみた。

【ビルメンに向いている人】

  • コツコツと勉強を続けられる人: 資格が給料とキャリアに直結する。楽な現場でも満足せず、学び続ける姿勢が何より重要だ。
  • 精神的にタフな人: 理不尽なクレームや緊急トラブルにも、冷静に対応できる精神力が求められる。
  • 一人の時間が苦にならない人: 待機時間が長い現場も多い。その時間を有効活用できる、あるいは苦痛に感じない人。
  • 過度なコミュニケーションを求めない人: チームワークは必要だが、ドライな人間関係を好む人には向いている。

【今すぐ辞めた方がいい人】

  • 向上心がない人: ただ楽をしたいだけで、スキルアップや資格取得に興味がないなら、将来頭打ちになる。
  • 指示待ち人間: 自ら考えて動けない、トラブルの原因を探求できない人は、この仕事では成長できない。
  • 高い給料や社会的評価を求める人: この仕事は縁の下の力持ちだ。誰かに感謝されたい、大金を稼ぎたいという承認欲求が強い人には向かない。

結局、ビルメンという仕事は「楽」なのではなく、「楽をする時間を見つけられる仕事」なんだ。その時間を使って自分を磨けるか、ただ時間を浪費するか。天国に行くか、地獄に留まるかは、全て自分次第ということだ。

あとがき

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。ビルメンテナンスという仕事の、少しばかり泥臭い、しかしリアルな部分をお伝えできたでしょうか。この記事が、あなたのキャリア選択の一助となれば、これほど嬉しいことはありません。どんな仕事にも光と影があります。大切なのは、その両方を理解した上で、自分自身が納得できる道を選ぶことです。あなたの転職活動が成功することを、現場の片隅から心より応援しています。

自己紹介
ビル管理人
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birukanrinin
大阪・兵庫県で20年以上ビル管理、設備管理業務に携わっています。 建築物環境衛生管理技術者、電気工事士、消防設備士といったビル管理・設備管理業界に関する資格取得数は20を超えます。 このブログでは知識やノウハウ、受けてきたパワハラ、この業界の嫌な側面等、幅広いリアルな情報を発信していきたいと考えています。
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