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【業界20年の本音】「百貨店のビルメンは天国か地獄か?」華やかな世界の裏側、全部話します。

百貨店の薄暗いボイラー室で、工具を手に決意の表情を浮かべるアニメ風の若い女性ビルメンテナンス作業員。
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「百貨店のビルメンて、キラキラしてそうだけど実際どうなの?」そんな疑問を抱えていませんか?一見、華やかな百貨店勤務。しかし、その裏側には設備管理者だけが知る壮絶なリアルが隠されています。この記事では、ビルメン歴20年以上のベテランが、百貨店勤務の具体的な仕事内容、給与、人間関係から将来性まで、Webサイトには載っていない本音を徹底的に解説。読めば、あなたが百貨店ビルメンに向いているか、その答えがきっと見つかります。

  1. 「お客様」が違う!百貨店ビルメンならではの特殊な仕事環境
  2. 開店前と閉店後が本番!百貨店ビルメンのリアルな1日
  3. 緊急出動!華やかなフロアを裏で支えるトラブル対応事例
  4. 給料・休み・人間関係は?百貨店ビルメンの待遇とキャリアパス
  5. 【結論】百貨店ビルメンは「アリ」か?20年選手が語る向き不向き

1:「お客様」が違う!百貨店ビルメンならではの特殊な仕事環境

ビルメンの仕事と一括りに言っても、現場がオフィスビルか、ホテルか、それとも百貨店かで、その中身は全く異なります。特に百貨店は特殊中の特殊。我々が対峙する「お客様」は、一般の買い物客だけではありません。何百というテナント、つまり各ブランドのショップ店員さんたちが、我々の直接のお客様になります。

彼女たち、彼たちの多くは設備のプロではありませんから、「エアコンが効かない」という一本の連絡にも、「なんだかよくわからないけど、とにかく暑い(寒い)から今すぐ何とかして!」という感情が乗っかっています。オフィスビルであれば、総務部の担当者とロジカルに話せば済むことも、百貨店では「売上に響く」というプレッシャーの中で、スピーディかつ丁寧な対応が求められるのです。

また、百貨店の設備は見せ方が重要。照明一つとっても、商品を美しく見せるための特別なものが使われていますし、空調も買い物客が快適に過ごせるよう、エリアごとに細かく設定されています。我々はその意図を汲み取り、常に最高の状態を維持する使命を負っているのです。裏を返せば、それだけ専門性が高く、やりがいのある現場とも言えます。

2:開店前と閉店後が本番!百貨店ビルメンのリアルな1日

百貨店ビルメンの勤務時間は、世間のイメージとは少しズレているかもしれません。もちろん日中の巡回やトラブル対応もありますが、仕事のメインは開店前と閉店後。お客様がいない時間に、いかに多くの作業を終わらせられるかが勝負です。

例えば、開店前。朝7時頃に出勤し、全館の空調、照明、給排水、防災設備などを一斉に立ち上げ、異常がないかを確認して回ります。エスカレーターやエレベーターの始動チェックも欠かせません。この時間にしかできないフィルター清掃や、ちょっとした補修作業も山積みです。

そして閉店後。お客様が退店された後の静まり返った百貨店は、我々ビルメンの独壇場です。日中にはできない大掛かりな設備点検や修繕、テナントの入れ替えに伴う電気工事や内装作業の立ち会いなど、夜勤の主な仕事となります。昼間の華やかな喧騒が嘘のような静寂の中、黙々と作業を進めるのは、慣れると心地良いものですよ。このメリハリこそが、百貨店ビルメンの醍醐味かもしれません。

3:緊急出動!華やかなフロアを裏で支えるトラブル対応事例

百貨店で起こるトラブルは、まさに時間との戦いです。いくつか、私が経験した印象的な事例をお話ししましょう。

一つは、高級ブランド店からの「天井から水が漏れている」という緊急連絡。開店直後の出来事でした。原因は上階のレストラン厨房の排水詰まり。お客様に気づかれないよう、脚立とバケツを持って現場に急行し、裏動線から天井裏にアクセス。わずか30分で漏水を止め、詰まりを解消させた時は、店長から拝むように感謝されましたね。被害を最小限に食い止め、営業を続けられた時の安堵感は、何物にも代えがたいものがあります。

また、真夏のセール期間中に、メインフロアの空調がダウンしたこともありました。館内の温度はぐんぐん上昇し、お客様からもクレームが出始めます。我々は原因究明に走り回り、室外機のファンモーターの故障を特定。幸い予備の部品があったため、灼熱の屋上で即時交換作業を行い、1時間後には涼しい風を送ることができました。あの時のフロアからの歓声は、今でも耳に残っています。こうした緊急事態を乗り越えるたびに、この仕事の重要性を再認識させられます。

4:給料・休み・人間関係は?百貨店ビルメンの待遇とキャリアパス

さて、気になるお金や休みの話です。正直に言うと、給与水準は他のビルメン現場と比べて、特別高いわけではありません。しかし、百貨店という特殊な環境で培った経験は、転職市場で有利に働くことがあります。特に、テナントとの折衝能力や、多様な設備への対応力は高く評価される傾向にあります。

休みはシフト制が基本で、土日祝も出勤になることが多いです。その代わり、平日に連休を取れるので、旅行や役所の手続きなどには便利ですね。セール期間や年末年始は繁忙期で忙しくなりますが、それを乗り越えれば比較的落ち着いて働けます。

人間関係については、テナントの担当者、百貨店の営業担当、そして我々ビルメンテナンスチームと、関わる人が多いのが特徴です。特に、華やかな世界の裏側には、気の強い女性スタッフも少なくありません(笑)。しかし、彼女たちの店舗や売上を守るという共通の目的があるため、一度信頼関係を築ければ、非常に良好な関係を保てます。「いつもありがとう」の一言が、何よりのモチベーションになりますよ。

5:【結論】百貨店ビルメンは「アリ」か?20年選手が語る向き不向き

結論から言うと、「百貨店ビルメン」は、人によって天国にも地獄にもなる仕事です。

コミュニケーション能力が高く、人と話すのが苦にならない人。そして、華やかな空間を裏で支える「縁の下の力持ち」であることに誇りを持てる人にとっては、これ以上ない「天国」のような職場でしょう。毎日が変化に富み、感謝される場面も多く、大きなやりがいを感じられるはずです。

一方で、黙々と機械とだけ向き合っていたい人、不規則な勤務が苦手な人、クレーム対応に強いストレスを感じる人にとっては、「地獄」かもしれません。求められるのは、技術力だけではないのです。

20年以上この世界にいますが、百貨店の裏側を知れば知るほど、その魅力にハマっていきました。もしあなたがこの記事を読んで少しでもワクワクしたなら、百貨店ビルメンの世界に飛び込んでみる価値は、大いにあると私は思いますよ。

あとがき

最後までお読みいただき、ありがとうございます。今回は百貨店ビルメンのリアルな姿をお届けしましたが、いかがでしたでしょうか。華やかな世界の裏には、知られざるドラマと、そこで働く人々の誇りがあります。この記事が、あなたのキャリアを考える上での一助となれば幸いです。また次回の記事でお会いしましょう。

自己紹介
ビル管理人
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birukanrinin
大阪・兵庫県で20年以上ビル管理、設備管理業務に携わっています。 建築物環境衛生管理技術者、電気工事士、消防設備士といったビル管理・設備管理業界に関する資格取得数は20を超えます。 このブログでは知識やノウハウ、受けてきたパワハラ、この業界の嫌な側面等、幅広いリアルな情報を発信していきたいと考えています。
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