【悲報】ビルメンは”楽な仕事”という幻想…20年選手が明かす「きつい現場」の残酷な現実と、それでもこの仕事を辞めない理由

「ビルメンって楽なんでしょ?」その言葉、何度聞かされたことか…。この記事では、20年以上この業界で飯を食ってきた私が、世間のイメージとはかけ離れた「ビルメンのリアル」を暴露します。華やかな施設の裏側で、私たちは一体何と戦っているのか?この記事を読めば、ビルメンテナンスという仕事の本当の姿、そしてその厳しさの中にある確かなやりがいが分かります。未経験者も、現役の仲間も、必見です。
- 「異常なし」の日々が一番怖い…真の敵は”何もない”という油断
- 深夜の緊急出動は当たり前!仮眠室で聞く着信音の恐怖
- なぜ、それでもビルメンを続けるのか?ベテランだけが知る仕事の醍醐味
「異常なし」の日々が一番怖い…真の敵は”何もない”という油断
多くの人がビルメンテナンスの仕事と聞いてイメージするのは、モニターが並ぶ防災センターで座っている姿かもしれません。確かに、何事もなければそれが日常です。しかし、その「何もない」状態を維持することこそが、我々の最も重要な使命であり、最も神経をすり減らす業務なのです。
一日に何度も、広大な建物の電気、空調、給排水、消防設備をくまなく点検して回ります。メーターの数値、配管からの異音、微かな異臭…五感をフル活用し、トラブルの”芽”を摘み取る。この地味な作業を怠った瞬間、大惨事につながる可能性があるのです。世間が「楽だ」と揶揄する待機時間は、実は次の瞬間に起こりうるあらゆる事態を想定し、頭の中でシミュレーションを繰り返す、緊張感に満ちた「臨戦態勢」の時間なのです。
深夜の緊急出動は当たり前!仮眠室で聞く着信音の恐怖
商業施設や病院など、24時間365日動き続ける建物を担当すれば、生活リズムは不規則にならざるを得ません。特に宿直勤務は、心身ともに削られます。仮眠室の固いベッドで束の間の休息をとっていても、常にどこかで鳴り響く業務用PHSの着信に怯える日々。
「天井から水が!」「空調が止まった!」「異臭がする!」
その一本の電話が、地獄の始まりです。深夜、利用客やテナントが寝静まった頃に、汚水槽の詰まりと格闘することもあれば、真夏の熱帯夜に汗だくで空調の室外機を修理することもあります。感謝されることは稀で、「直って当たり前」というプレッシャーだけが肩にのしかかります。この孤独な戦いこそ、ビルメンのきつさを象徴していると言えるでしょう。
なぜ、それでもビルメンを続けるのか?ベテランだけが知る仕事の醍醐味
では、なぜこんなにもきつい仕事を20年以上も続けているのか。それは、この仕事が建物の「命」を守る、社会に不可欠なエッセンシャルワークだという自負があるからです。
自分がメンテナンスしたビルが、何事もなく動き続け、そこで人々が快適に過ごしている。その当たり前の日常を、縁の下で支えているという実感。それこそが、何物にも代えがたいやりがいです。また、経験を積み、知識と技術を身につければ、どんな複雑なトラブルにも動じなくなります。「このビルで起きることは、全て俺が解決できる」という自信は、日々の激務を乗り越えるための大きな力となるのです。楽な仕事ではありません。しかし、建物の”主治医”として頼られる喜びは、一度味わうと病みつきになりますよ。
あとがき
今回は、ビルメンの仕事の厳しい側面を中心にお話ししましたが、いかがでしたでしょうか。この仕事は、決して誰にでもできる楽な道ではありません。しかし、社会を支えるという確かな誇りと、自己の成長を実感できる奥深い世界がここにはあります。この記事が、あなたのビルメンテナンスへの見方を少しでも変えるきっかけになれば幸いです。現場からは以上です。