【業界の闇?】ビルメン歴20年の俺が教える、新人が知らずに辞めていく「5つの勘違い」。高卒・未経験でも生き残る秘訣はこれだ。

「ビルメンって楽そう」「資格さえあれば安泰」…そんな風に考えていませんか?もし、あなたがビルメン業界で長く、そして確実にキャリアを築きたいと本気で思うなら、その甘い考えは今すぐ捨ててください。この記事では、20年以上この業界で飯を食ってきた私が、多くの新人が気づかずに挫折していく「致命的な勘違い」を5つ暴露します。この記事を読めば、あなたが10年後もこの業界で笑っていられるための「本物の心構え」がわかります。
- 勘違い①:「楽な仕事」という幻想。待機時間=サボり時間ではない
- 勘違い②:「資格さえあれば無敵」という思考停止。現場で使えない知識は無価値
- 勘違い③:「俺は技術屋だ」という過信。職人である前に、サービス業であれ
- 勘違い④:「言われたことだけやればOK」という受け身姿勢。給料が上がらない人の典型
- 勘違い⑤:「一人で黙々と作業」という誤解。真のエースはコミュニケーションを制す
勘違い①:「楽な仕事」という幻想。待機時間=サボり時間ではない
「ビルメンは待機が多くて楽」…これは半分本当で、半分は破滅への入り口だ。確かに、トラブルがなければ定時まで機械室で座っている日もある。だが、その他大勢の凡庸なビルメンは、その時間をスマホゲームやネットサーフィンで溶かしてしまう。一方で、一握りの優秀な人間は、その「待機時間」を自己投資に変えている。
考えてみてほしい。我々の仕事は、建物の安全と快適という「当たり前」を守ること。その「当たり前」が崩れた時、つまり緊急トラブル発生時に、いかに迅速かつ的確に対応できるかで価値が決まる。待機時間は、その「いざという時」に備えるための訓練時間なのだ。
過去のトラブル事例をまとめた報告書を読み込む、配線図や系統図を頭に叩き込む、設備の仕様書を隅々まで確認する…。やるべきことは山ほどある。この時間をどう使うかで、5年後、10年後の君の立ち位置は全く違うものになる。俺が見てきた中で、伸びる奴は皆、日頃から図面を眺めては頭の中でシミュレーションを繰り返していた。楽をしたいなら、他を当たった方がいい。ここは「学び続ける者」だけが評価される世界なのだから。
勘違い②:「資格さえあれば無敵」という思考停止。現場で使えない知識は無価値
ビルメン4点セット(第二種電気工事士、二級ボイラー技士、第三種冷凍機械責任者、危険物取扱者乙種4類)は、この業界へのパスポートのようなものだ。だが、パスポートがあるからといって、海外でうまくやっていけるとは限らないだろう?資格も同じだ。
資格の勉強で得た知識は、あくまで汎用的な理論に過ぎない。現場の設備は、メーカーも違えば年代も違う。教科書通りに事が進むことなんて、まずあり得ない。「このポンプ、テキストの構造と少し違うな…」「この空調機、聞いたことないエラーコードが出てるぞ…」日常茶飯事だ。
ここで思考停止する人間は、「資格手当が安い」と文句を言うだけで成長しない。だが、できる人間は違う。「なぜ違うのか?」「このエラーコードの意味は何か?」と深掘りし、メーカーに問い合わせたり、古い資料を漁ったりして、生きた知識として吸収していく。資格はスタートラインに立つための切符であり、ゴールではない。その切符を握りしめたまま、何も学ばない人間が一番タチが悪い。
勘違い③:「俺は技術屋だ」という過信。職人である前に、サービス業であれ
我々は技術職だ。だが、給料を払ってくれるのは誰か?ビルのオーナーやテナントだ。彼らにとって、我々は「快適な環境を提供してくれるサービス業者」に他ならない。
テナントのオフィスで作業する時を想像してみろ。「失礼します。〇〇の点検で入らせていただきます。10分ほどで終わりますので、ご協力お願いします」とハキハキ挨拶できるか?汚れた作業着のまま、無言でズカズカと上がり込んでいないか?作業後、簡単な清掃をして「お騒がせしました。作業完了しましたので失礼します」と一言添えられるか?
こんな当たり前のことができない「技術屋」を、オーナーやテナントが信頼するだろうか?しない。どんなに腕が良くても、「あの人、ちょっと感じ悪いよね」と思われたら終わりだ。トラブルが起きた時、真っ先に疑われるのは、日頃から態度の悪い業者だ。技術を磨くのは当然。その上で、気持ちのいい挨拶、丁寧な言葉遣い、清潔な身だしなみを徹底しろ。それこそが、君自身を守る最強の武器になる。
勘違い④:「言われたことだけやればOK」という受け身姿勢。給料が上がらない人の典型
「指示待ち人間」は、この業界では絶対に評価されない。なぜなら、我々の仕事は「問題が起きる前」に芽を摘むことだからだ。
「なんだか、いつもよりポンプの運転音が大きい気がするな…」「この配管、最近結露がひどいな…」。そんな些細な「違和感」に気づけるかどうかがプロと素人の分かれ道だ。言われた点検項目をただこなすだけなら、誰にでもできる。そこから一歩踏み込んで、「こうした方がもっと効率的では?」「この部品、そろそろ寿命だから予防交換を提案しよう」と改善提案ができる人間にこそ、価値が生まれる。
もちろん、最初は的外れな提案かもしれない。だが、それでいい。その「考えようとする姿勢」を上司や先輩は見ている。「お、こいつはただの作業員じゃないな」と思わせたら勝ちだ。給料は、君が提供した「付加価値」への対価だ。言われたことしかできない人間に、高い対価が支払われることは未来永劫ない。
勘違い⑤:「一人で黙々と作業」という誤解。真のエースはコミュニケーションを制す
ビルメンは孤独な仕事に見えるかもしれない。確かに一人で現場を巡回することもある。だが、それは仕事の一部に過ぎない。本当に重要な局面、例えば大規模修繕や緊急トラブル対応では、チームでの連携が全てだ。
上司への的確な報告、同僚との情報共有、協力会社への明確な指示…。これらがスムーズにできなければ、どんなに個人のスキルが高くても現場は回らない。特に、清掃スタッフや警備員といった、他の業務を担当する人々との関係は重要だ。「いつもご苦労様です」の一言があるだけで、「〇〇さん、そういえば2階のトイレ、水の流れが悪いみたいですよ」といった貴重な情報をくれることがある。
彼らは、我々が気づかない現場の変化を一番よく見ている「目」なのだ。彼らを単なる「清掃員」「警備員」と見下すか、「同じ現場で働く仲間」としてリスペクトするか。その姿勢が、君の仕事の質を大きく左右する。技術や知識は後からでも学べる。だが、信頼関係は一朝一夕には築けない。それを肝に銘じておけ。
あとがき
ここまで読んでくれた君は、もうその他大勢の新人とは違う一歩を踏み出している。この5つの勘違いを避け、日々の業務に取り組むだけで、君の市場価値は確実に上がっていく。ビルメンは決して楽な仕事ではないが、社会のインフラを支える誇りと、確かな技術が身につく、やりがいのある仕事だ。現場のどこかで会ったら、気軽に声をかけてくれ。君の成長を楽しみにしている。