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【衝撃の事実】ビルメンは”楽すぎ”は嘘?20年選手が語る「本当の姿」と年収UPの秘訣

静かで近代的ながらも誰もいないビルのロビーで、クリップボードを手に微笑む、アニメ風の若い日本人女性ビルメンテナンス作業員。
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「ビルメンの仕事って、土日に誰もいない建物にいるだけで給料がもらえるって本当?」「未経験でもなれるって聞くけど、実際どうなの?」そんな疑問を抱えていませんか。この記事では、ビルメンテナンス業界で20年以上働くベテランが、噂の真相から仕事のリアルな実態、そして「勝ち組」になるための具体的なキャリアパスまで、現場の生の声で徹底解説します。この記事を読めば、ビルメンという仕事の本当の魅力と、将来設計の描き方が明確になるはずです。

  1. 「ビルメンは楽」という甘い罠。土日の”天国”と平日の”戦場”
  2. 【未経験者必見】20年のベテランが教える「ビルメン三種の神器」とは?
  3. 年収300万円台は過去の話?給料を爆上げするキャリア戦略
  4. 宿直・夜勤はきつい?現場で体験したビルメンのリアルな24時間
  5. 20年後の未来は安泰か?ベテランが本音で語るビルメンの将来性

1. 「ビルメンは楽」という甘い罠。土日の”天国”と平日の”戦場”

「ビルメンは楽だ」という声をよく耳にします。特に、週末に誰もいない静かな建物で、ただ待機しているだけで一日が終わる…そんなイメージを持っている方も多いかもしれません。確かに、そういった側面があるのは事実です。テナントが誰もいない休日のビルは、まるで自分の城のよう。空調の音だけが響く静寂の中、読書をしたり、資格の勉強をしたりと、自分のペースで時間を過ごせるのは、この仕事ならではの特権と言えるでしょう。トラブルさえなければ、これほど精神的に楽な仕事は他にないかもしれません。

しかし、それはあくまでビルメンの仕事の一面に過ぎません。平日の顔は全く異なります。ひっきりなしに鳴る内線電話、次々と舞い込む「蛍光灯が切れた」「トイレが詰まった」「空調が効きすぎている」といった細かなクレーム対応。それに加え、設備の定期点検、報告書の作成、協力会社との打ち合わせなど、やるべきことは山積みです。特に、大規模な商業施設やオフィスビルでは、常に走り回っているような状態も珍しくありません。「楽」というイメージだけでこの世界に飛び込むと、平日の忙しさとのギャップに驚き、すぐに心が折れてしまうでしょう。休日の静寂は、平日の喧騒を乗り切った者だけに与えられる「ご褒美」なのです。

2. 【未経験者必見】20年のベテランが教える「ビルメン三種の神器」とは?

この業界は未経験からでも挑戦しやすいと言われますが、長く安定して働くためには、やはり専門的な知識と資格が不可欠です。私が20年の経験から考える、ビルメンとして生きていくための「三種の神器」をご紹介しましょう。それは「第二種電気工事士」「危険物取扱者乙種4類」「二級ボイラー技士」の3つです。

まず「第二種電気工事士」。これは照明器具の交換やコンセントの修理など、電気系統の基本的なメンテナンスに必須の資格です。ビルメンの仕事において、電気トラブルの対応は日常茶飯事。この資格がなければ、できる仕事の幅が大きく制限されてしまいます。

次に「危険物取扱者乙種4類」。これはビルの非常用発電機などで使われる燃料(ガソリン、灯油、軽油など)を取り扱うために必要です。万が一の停電時に、ビルの機能を維持するという重要な役割を担うため、非常に価値の高い資格と言えます。

そして「二級ボイラー技士」。オフィスビルの多くは、暖房や給湯のためにボイラーを設置しています。このボイラーの操作や点検を行うために、この資格が求められます。

これらはあくまで入り口です。しかし、この「三種の神器」さえ押さえておけば、未経験からでも仕事の幅が広がり、会社からも重宝される存在になれることは間違いありません。

3. 年収300万円台は過去の話?給料を爆上げするキャリア戦略

「ビルメンの給料は安い」というイメージも根強いですが、これも戦略次第で大きく変えることが可能です。確かに、無資格・未経験で系列系のビルメン会社に入社した場合、年収300万円台からのスタートも珍しくありません。しかし、ここからが重要です。

給料を上げる最も確実な方法は、やはり上位資格の取得です。「電験三種(第三種電気主任技術者)」「建築物環境衛生管理技術者(ビル管)」「エネルギー管理士」といった、いわゆる「ビルメン上位資格」を取得すると、資格手当だけで月数万円の収入アップが見込めます。さらに、これらの資格を持つことで、より待遇の良い「独立系」のビルメン会社への転職や、責任者(所長)クラスへの昇進の道が開けます。責任者クラスになれば、年収600万円以上も決して夢ではありません。

資格取得は、日々の業務と並行して勉強時間を確保する必要があり、決して楽な道ではありません。しかし、取得した資格は一生モノの武器になります。目の前の楽さに安住するのではなく、5年後、10年後を見据えて自己投資を続けることが、ビルメンとして成功するための唯一の道と言えるでしょう。

4. 宿直・夜勤はきつい?現場で体験したビルメンのリアルな24時間

ビルメンの勤務形態で特徴的なのが「宿直」や「夜勤」の存在です。特に宿直勤務は、24時間以上の拘束となるため「きつい」と感じる人も多いようです。

一般的な宿直勤務の例を挙げましょう。朝9時に出勤し、日中の業務を引き継ぎます。夕方以降は、残業しているテナントからの問い合わせに対応したり、夜間にしかできない点検作業を行ったりします。深夜から早朝にかけては仮眠時間が設けられていますが、もちろん緊急事態が発生すれば叩き起こされます。火災報知器の誤作動や水漏れトラブルなど、仮眠中に呼び出されることは決して珍しくありません。そして翌朝、日勤のスタッフに業務を引き継いで、ようやく勤務終了です。

確かに肉体的、精神的な負担はありますが、悪いことばかりではありません。宿直明けの日は「明け休み」となり、ほぼ一日が自由時間になります。さらに翌日が公休日であれば、実質的な連休のように過ごすことも可能です。平日の昼間から自由に行動できるのは、宿直勤務の大きなメリットと言えるでしょう。また、会社によっては深夜手当や宿直手当が手厚く、効率的に稼ぎたい人にとっては魅力的な働き方でもあります。

5. 20年後の未来は安泰か?ベテランが本音で語るビルメンの将来性

AIの進化により、多くの仕事がなくなると言われる時代。ビルメンテナンスの仕事はどうなるのでしょうか。20年以上この業界に身を置いてきた私の結論は、「今後も決してなくならない、むしろ重要性を増していく仕事」だということです。

確かに、監視業務やデータ入力のような定型的な作業は、将来的にAIやロボットに代替される部分も出てくるでしょう。しかし、現場で発生する突発的なトラブルへの対応や、微妙な異音や異臭から不具合の予兆を察知するといった、経験と五感に基づく判断は、人間にしかできません。また、お客様であるテナントの方々とコミュニケーションを取り、信頼関係を築きながら建物の快適な環境を維持していくという役割は、AIには到底真似できないでしょう。

建物がある限り、それを維持管理する仕事は絶対になくなりません。ただし、誰でもできる簡単な作業だけをしていては、時代の波に淘汰されてしまう可能性はあります。常に新しい技術や知識を学び、上位資格を取得して自分自身の価値を高め続ける。そんな向上心を持つ人材こそが、これからのビルメンテナンス業界で輝き続けることができるのです。この仕事は、決して派手ではありませんが、社会のインフラを根底から支える、誇り高い専門職だと私は確信しています。

あとがき

ビルメンの仕事のリアルな姿、いかがでしたでしょうか。楽なイメージの裏にある大変さ、そしてそれを乗り越えた先にある確かなやりがいと将来性。この仕事は、地道にコツコツと努力を続けられる人にとって、まさに「天職」となり得ます。この記事が、あなたのキャリアを考える上での一助となれば幸いです。建物の「当たり前の日常」を守る仕事に、少しでも興味を持っていただけたら、これほど嬉しいことはありません。

自己紹介
ビル管理人
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birukanrinin
大阪・兵庫県で20年以上ビル管理、設備管理業務に携わっています。 建築物環境衛生管理技術者、電気工事士、消防設備士といったビル管理・設備管理業界に関する資格取得数は20を超えます。 このブログでは知識やノウハウ、受けてきたパワハラ、この業界の嫌な側面等、幅広いリアルな情報を発信していきたいと考えています。
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