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【現役ビルメンが語る】これだけは覚悟しろ!メンタル崩壊寸前?ビルメンの”地獄”作業トップ5

ビルメンテナンスのブログ記事向けのアイキャッチ画像。若い日本人女性がダイナミックなポーズで、メンテナンス機器を操作している様子。
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「ビルメンって楽そう」「定時で上がれるんでしょ?」そんな甘い考えは今日で捨ててください。長年ビルメンテナンス業界で働いてきた私が、この仕事の「裏側」を包み隠さずお話しします。この記事を読めば、ビルメンが直面する過酷な現場の現実、そしてそれでも私たちが働き続ける理由がきっとわかるはず。漠然としたイメージだけでなく、具体的な作業内容とそこに伴う心身の負担を知ることで、この仕事への理解が深まるでしょう。未経験でビルメンを目指す方も、すでに業界で奮闘している方も、ぜひ最後までお付き走ください。

  • ビルメンが「心が折れる」瞬間:真夏の地獄と真冬の試練
  • 精神力を削る!ビルメンならではの人間関係とクレーム対応
  • これだけは避けたい!危険と隣り合わせの緊急対応と高所作業

ビルメンが「心が折れる」瞬間:真夏の地獄と真冬の試練

ビルメンテナンスの仕事は、一見すると地味に見えるかもしれません。しかし、その実態は常に自然環境との闘いです。特に日本の夏と冬は、ビルメンにとってまさに「地獄」と「試練」の連続と言えるでしょう。

真夏の地獄とは、ズバリ空調設備の故障対応です。オフィスビルや商業施設で空調が停止すれば、そこは瞬く間に灼熱地獄と化し、利用者からの怒声と焦燥が渦巻きます。屋上の室外機は太陽に焼かれ、内部は熱がこもり、まさにサウナ状態。その中で熱中症寸前になりながら、故障箇所を探し、重い工具を運び、汗だくで修理に当たる。修理が終わった時の安堵感は格別ですが、その達成感の裏には、文字通り命を削るような作業があるのです。私も何度か、あまりの暑さに意識が遠のきそうになった経験があります。

一方、真冬の試練は、給排水設備の凍結・破裂対応です。凍てつく寒さの中、配管が破裂すれば水浸しになり、時には施設全体が機能不全に陥ります。深夜、突然の呼び出しで駆けつけ、冷え切った地下ピットや屋上で、凍えながら水漏れ箇所を探し、凍結した配管を解凍し、時には交換する。かじかむ手で工具を握り、冷たい水にまみれて作業する厳しさは、経験者にしかわからないでしょう。指先の感覚がなくなり、体全体が芯から冷え切るあの感覚は、今でも鮮明に思い出せます。

このように、ビルメンは常に自然環境の厳しい条件と向き合い、時には自身の体力を限界まで追い込みながら、建物の機能を維持しています。

精神力を削る!ビルメンならではの人間関係とクレーム対応

ビルメンテナンスの仕事は、単に機械や設備と向き合うだけではありません。テナントや利用者、そしてオーナーなど、様々な立場の人々と接する機会が多く、その人間関係やクレーム対応は、時に身体的な疲労よりも精神的な疲労を大きくさせます。

特に精神力を削られるのが、理不尽なクレームへの対応です。例えば、オフィスビルのエレベーターが数分遅れただけで、「なぜこんなに遅れるんだ!」「責任者を出せ!」と激しく詰め寄られることがあります。原因が外部要因であっても、最初の矢面に立つのは私たちビルメンです。また、テナント間のトラブル、例えば騒音問題や共用部の使い方に関する苦情など、本来は私たちが解決すべきではない問題にまで介入を求められることも少なくありません。

さらに、施設によってはお客様やテナントへの対応マニュアルが厳しく、どんな状況でも笑顔で低姿勢を保つことを求められます。心の中では「いや、それは違うだろう」と思っていても、プロとして感情を抑え、冷静に対応しなければなりません。こうした状況が続くと、精神的に非常に消耗します。私も過去に、あるテナントからの執拗なクレームに半年近く悩まされ、一時的に仕事に行くのが憂鬱になった経験があります。

しかし、こうした経験を通じて、私たちはコミュニケーション能力や問題解決能力、そして何よりも忍耐力を養ってきました。クレームを真摯に受け止め、迅速かつ的確な対応で問題を解決できた時には、お客様からの感謝の言葉をいただくこともあり、それがまた次へのモチベーションに繋がるのです。

これだけは避けたい!危険と隣り合わせの緊急対応と高所作業

ビルメンテナンスの仕事には、常に危険と隣り合わせの状況がつきまといます。特に、緊急対応と高所作業は、一歩間違えれば重大な事故に繋がりかねない、非常に神経を使う作業です。

緊急対応とは、例えば火災報知器の誤作動、電気系統のショート、水漏れによる漏電、あるいは不審者の侵入など、予期せぬトラブルが発生した場合の初動対応です。いつ何時、何が起こるかわからないため、常に緊張感を持ち、冷静な判断力が求められます。私が経験した中で特に印象的だったのは、深夜の電気系統のショートによる全館停電です。真っ暗闇の中、懐中電灯一つで原因を探し、感電の危険と隣り合わせで復旧作業を行った時は、生きた心地がしませんでした。

また、高所作業はビルメンにとって避けて通れない作業の一つです。屋上の設備点検、外壁のひび割れチェック、高所にある照明器具の交換など、高所作業車やゴンドラ、あるいは命綱一本で作業を行うことも珍しくありません。強風が吹く日や雨の日でも、作業を完遂しなければならない場合もあります。高所での作業は、常に足元への注意、工具の落下防止、そして何よりも自身の安全確保が最優先されます。高所恐怖症の方には想像もできないかもしれませんが、風で体が揺れる感覚、下を見下ろした時のあの恐怖感は、慣れても決して消えることはありません。私は高所作業中は、常に家族の顔を思い浮かべ、絶対に無事に帰ると心に誓って作業に当たっています。

これらの危険な作業は、私たちの専門知識と技術、そして日々の訓練によって支えられています。危険を理解し、適切な安全対策を講じることで、私たちは日々の業務を遂行しています。

あとがき

ビルメンテナンスの仕事は、決して楽な仕事ではありません。真夏の猛暑、真冬の極寒の中で汗水流し、時には精神的に消耗するクレーム対応に追われ、そして常に危険と隣り合わせの作業をこなしています。しかし、それでも私たちがこの仕事を選び、20年以上も続けてこられたのは、この仕事でしか味わえない「やりがい」があるからです。

建物が安全に、快適に機能しているのは、私たちの地道な努力と献身的な作業があるからこそ。人々の当たり前の日常を支えているという誇り、トラブルを解決し、お客様に感謝される喜びは、何物にも代えがたいものです。もし、あなたがビルメンテナンスの仕事に興味を持っているなら、この記事で伝えた「キツい側面」も理解した上で、ぜひ一歩踏み出してみてください。この仕事には、それを上回る魅力と奥深さが詰まっています。

自己紹介
ビル管理人
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birukanrinin
大阪・兵庫県で20年以上ビル管理、設備管理業務に携わっています。 建築物環境衛生管理技術者、電気工事士、消防設備士といったビル管理・設備管理業界に関する資格取得数は20を超えます。 このブログでは知識やノウハウ、受けてきたパワハラ、この業界の嫌な側面等、幅広いリアルな情報を発信していきたいと考えています。
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